24A1600013
【開講決定】横浜市港湾局後援
海洋国家日本 ―日本人と海【対面講座】 主催:神奈川大学海とみなと研究所

満員御礼

講座概要

講座番号 24A1600013
期間 2024年4月13日 ~ 2024年9月28日
回数 6回
曜日
時間 14:00~15:30
定員 100名  ※先着順に受け付け、定員に達し次第締め切ります。
受講料 無料 無料
申込期間 2024年3月1日 ~ 2024年4月1日
※申込期間後も定員に余裕がある場合は、受け付けますのでお問い合わせください。
会場 KUポートスクエア
教材 講師が講演テキストを用意する

※ 受講者区分 一般の方:一般の方 神奈川大学生・卒業生等神奈川大学生・卒業生等
※ 開講日程や時間は、講師の緊急な都合などにより変更する場合があります。
※ 定員に満たない場合は、開講できないことがあります。

内容

四面を海に囲まれた日本は、その自然環境からみれば海洋国家だが、果たして本当に日本は海洋国家と言えるのか?海洋国家たる日本が直面する課題は何か?との問いに関する思考過程を聞き手の方々と共有していく。
前半3回では、同じような島国であるイギリスとの比較を交えながら、わが国の海への関わりを歴史的に検討する。古くは秀吉による最初の大陸進出構想、近代では大東亜共栄圏構想で海外進出を図るが、太平洋戦争の敗戦でその試みも潰えた。つまり、日本の海外膨張型の海洋国家化は2度大きな失敗をした。アルフレッド・T・マハンによる19世紀型の海洋国家論は、海軍力を海洋国家の重要要素と考えたが、現在の憲法の下では、日本はそのような意味での海洋国家たりえない。現代では、人類史上初の国際的な「海の憲法」と呼ばれる国連海洋法条約(UNCLOS)により世界の海洋秩序は一変した。日本も1996年に同条約を批准し、植民地なき海洋国家となる3度目のチャンスを得た。海洋基本法を2007年に制定、5年毎の海洋基本計画は、現在第4期計画(2023~)となり、その内容の変遷を概括する。
後半3回では、世界および日本の海洋に関する取組の歴史について、古代、中世、大航海時代、そして今日に至る歴史を整理する。次にUNCLOSの枠組みの中で世界6位の広大な日本の200海里水域(領海+排他的経済水域)が抱える諸課題、すなわち、境界画定問題(尖閣諸島・竹島・北方領土)、沖ノ鳥島問題等を概括する。最後に、今日最も注目されている洋上風力発電に関する再エネ海域利用法(2019)の流れと漁業協調、漁業者との合意形成等について、海外事例を交えながら概観する。

講座日程

開講月日 内容
第1回 2024/04/13 海洋国家論と日本の海洋国家性
海洋国家とは何かについての地政学的議論を紹介し、19世紀的な海洋国家と今日の国連海洋法条約の下での、国家の繁栄と海洋の持つ意味の違いについて考える。現在の日本人が海をどのようなものとして意識あるいは無意識のうちに評価しているか、山との対比、生活の場としての海と、観念としての海という視点から、今日のイギリス人との比較を交えて考える。
講師:来生 新
第2回 2024/05/11 日本人にとっての海―外につながる海への国家的試みの失敗と日本人の海洋意識
日本人の起源、元寇、南方日本人町の形成、鎖国と漂流、明治以降のアジア進出と大東亜共栄圏、戦後商人国家としての日本政策等を素材に、現代日本人の海洋意識がどのようなものとなっているかを考える。
講 師:来生 新
第3回 2024/06/29 日本の最後の希望の空間としての海とその利用のための制度と政策
国連海洋法条約による排他的経済水域制度、大陸棚制度の潜在的な可能性。現実の利用としての洋上風力発電の展開とその課題を中心に、現行制度の基礎としての海洋基本法と海洋基本計画(第1期~現行・第4期)について説明し、21世紀中葉に向けての日本のとるべき政策の方向について論ずる
講 師:来生 新
第4回 2024/07/27 世界と日本の海洋史
世界の海洋史については、古代、中世、ヨーロッパの大航海時代、中国明王朝時代の大航海、第二次大戦後から現在に至る海洋政策の歴史、とりわけ三次にわたる国連海洋法会議の経緯、国連海洋法条約(UNCLOS)の要点について概括する。日本の海洋史については、遣隋使、遣唐使の時代から足利・室町時代、戦国時代(織田信長、豊臣秀吉、徳川家康)、江戸時代(いわゆる鎖国はしていなかった?)、明治以降について概括する。
講 師:中原裕幸
第5回 2024/08/24 日本の200海里水域が直面する課題
1982年に採択され1994年に発効し、1996年に我が国が批准した国連海洋法条約にもとづいて200海里の排他的経済水域(EEZ)を設定したが、その面積は我が国の主張に基づくと約447万㎢で世界6位だが、英仏についてその海外領土分も含めたランキングでは8位であることを整理する。次いで、200海里水域が抱える問題点として、領土の帰属と海域境界問題(尖閣・竹島・北方領土)、島か岩か論争の沖ノ鳥島問題、設定したEEZの海底は国際法上は海底地形の如何にかかわらず我が国の大陸棚だが、延長大陸棚も認められているので、これについて概括する。
講 師:中原裕幸
第6回 2024/09/28 洋上風力発電と漁業
2019年に再エネ海域利用法が施行され、促進区域の指定と同区域における事業者選定、事業者による洋上風車群の建設、長期運用という手順で30年に及ぶ海域の占用許可が出されるが、そのプロセスにおける海域の先行利用者である漁業者との合意形成、漁業共存・協調方策等について、海外事例も交えて、概括する。
講 師:中原裕幸

講師紹介

來生 新

海とみなと研究所 上席研究員
北海道大学法学研究科学位取得退学。横浜国立大学教授、横浜国立大学副学長、放送大学学長を経て、横浜国立大学名誉教授、放送大学名誉教授、東京湾再生官民連携フォーラム議長、元日本沿岸域学会会長、元日本海洋政策学会副会長。

中原 裕幸

海とみなと研究所 上席研究員
上智大学卒。(一社)海洋産業研究・振興協会に長年勤務し2020年退職、現顧問。その間、東海大学海洋学部(1990~2018)、横浜国立大学大学院(2000~現在)非常勤講師として海洋政策を講義。神戸大学客員教授、日本海洋政策学会顧問、テクノオーシャン・ネットワーク理事、NPO水中ロボネット顧問、元JAMSTEC監事。

※講師については都合により変更する場合があります

満員御礼

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