講座番号 | 0601046 |
期間 | 2024年7月17日 ~ 2024年9月18日 |
回数 | 5回 |
曜日 | 水 |
時間 | 13:00~14:30 |
定員 | 40 名 |
一般料金 | 12,500円 |
会場 | 三鷹サテライト教室 |
『源氏物語』は「桐壺」巻を始発として「帚木」「空蝉」「夕顔」「若紫」という巻々へと続く。しかし主人公光源氏の藤壺への思慕の情を以てして終る「桐壺」巻は、空蝉や夕顔との恋を語る「帚木」「空蝉」「夕顔」(「帚木三帖」といわれる)へと直結しない。そして藤壺との恋という点で、この「桐壺」巻は「帚木三帖」を飛ばして「若紫」巻の方と接続している。なぜそうなのか。
また「若紫」巻は源氏と藤壺とが既に深い関係にあることを自明の前提として語られているが、なぜか肝心要の二人の最初の逢瀬は「帚木三帖」のどこを捜しても見当たらない。以上のように『源氏物語』始発の巻々には大変不可解な現象が認められるのだが、「帚木三帖」を参観しつつ「若紫」巻の冒頭部を徹底的に読み込むことで、この「謎」を解明したい。
日程 | 内容 | |
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第1回 | 2024/07/17 | 「桐壺」巻と「帚木」「空蝉」「夕顔」との繋がり |
第2回 | 2024/07/31 | 「桐壺」巻と「若紫」巻との繋がり |
第3回 | 2024/08/21 | 「若紫」巻の若紫発見場面(冒頭部)を読む |
第4回 | 2024/09/04 | 「若紫」巻の源氏と藤壺の密通場面を読む |
第5回 | 2024/09/18 | 「帚木」「空蝉」「夕顔」(「帚木三帖」)の位置づけ |
【必携テキスト】
『源氏物語語(一) 桐壺―末摘花』岩波文庫 柳井滋・室伏信助等 2017年 1,584円(税込)
※「桐壺」「帚木」「空蝉」「夕顔」「若紫」巻全文が収録してあるテキスト(小学館新編日本古典文学全集、新潮日本古典集成、岩波新日本古典文学大系、玉上琢彌校注『角川文庫』)でも可。
※上記教材をお持ちでない方は、詳細ページよりご購入ください。
神田 龍身
(かんだ たつみ)
学習院大学名誉教授
早稲田大学大学院文学研究科博士課程後期退学
単著として、『物語文学、その解体』(有精堂出版、1992年)、『偽装の言説』(森話社、1999年)、『源氏物語=性の迷宮へ』(講談社選書メチエ、2001年)、『紀貫之』(ミネルヴァ書房、2009年)、『平安朝物語文学とは何か』(ミネルヴァ書房、2020年)、『神田龍身初期論文集』(学習院大学研究叢書、2021年)、『鎌倉幕府の文学論は成立可能か!』(2024年9月刊行予定、勉誠出版)。